INTERVIEW / 01

「ジムは、強くなる場所じゃない。続けられる場所だ。」

特別顧問 / 井上誠午(和術慧舟會セイゴ道場 主宰)

聞き手:山田 太郎 読了:8分
MAIN PHOTO(井上さん × 道場)

熊本市内、平日の夜。道場に集まるのは社会人、学生、子ども、女性。年齢も背景もばらばらだ。
「うちの道場は、強い選手を育てる場所じゃないんですよ」——井上誠午は、開口一番そう言って笑った。
戦極のリングに立った男が、なぜ今、コンサルの世界に関わるのか。

CHAPTER 01

16歳の上京と、選手としての15年

——プロを目指して、16歳で熊本から東京に出られたんですよね。
「単身で上京して、和術慧舟會GODSに入門しました。当時は格闘技ブームの真っ只中で、とにかく強くなりたいという気持ちだけでした。DEEPの新人王トーナメントで5試合連続一本勝ちで優勝できた時は、自分の人生で一番濃い瞬間でしたね」
「でも、強くなることと、ジムを続けることは、まったく別の話だと、後から知りました」

「リングで勝つ技術と、
ジムを潰さない技術は、別物なんです」

CHAPTER 02

熊本に戻り、セイゴ道場を開いて15年

——2009年に熊本に戻られて、ご自身の道場を立ち上げられました。
「最初の3年は、本当にきつかったです。会員が増えない、月謝の入金が滞る、スタッフのモチベーションも上がらない。技術には自信があったから、教えれば人は来ると思っていた。でも、そんなに甘くなかった」
「強い選手を育てれば道場が大きくなる、と最初は信じていました。違いました。続けてくれる会員が、道場を支えてくれる。当たり前のことなんですけど、競技者の頭ではなかなか気づけなかった」

CHAPTER 03

なぜ、特別顧問を引き受けたのか

——今回、特別顧問として参画された理由を聞かせてください。
「全国のジムオーナーさんと話す機会があるんですが、皆さん同じ悩みを抱えている。集客、継続率、スタッフ教育。そして、誰にも相談できない孤独。私も同じ道を通ったから、痛いほど分かるんです」
「コンサルって、外から眺めて理屈を言うだけだと、現場のオーナーには響かない。だから私が現場の側から関わって、本当に使える打ち手だけを残したいと思いました」
「強くなりたい人が、技術を磨ける場所。続けたい人が、無理なく通える場所。両方を成立させるのが、これからのジム経営だと思っています」

MESSAGE TO GYM OWNERS

「ひとりで悩むより、現場を知っている誰かに話してみてください。
あなたのジムにしかない強さが、必ずあるはずです」

井上 誠午 Seigo Inoue

熊本市出身。総合格闘家・和術慧舟會セイゴ道場 主宰

2002 16歳で単身上京、和術慧舟會GODS入門 2008 DEEPフューチャーキングトーナメント2007 70kg以下級 優勝(5試合連続一本勝ち) 2009 戦極の乱2009 出場(さいたまスーパーアリーナ)/同年、熊本にセイゴ道場を設立 現在 道場運営15年超、九州の格闘技シーンを牽引

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